廊下まで聞こえる、耳障りな美和の鼻に付く甘ったるい声に心底うんざりした。 あの声を聞くだけで、頭がキーンと痛くなる。 計算されたかのような無邪気な笑顔にも、女の強かさを感じてしまう。 『女』を武器に男に近づく女は、麻紀にとって一番嫌いなタイプだった。 でも、それ以上に、麻紀には相澤のあの態度がどうしても許せなかった。