不機嫌な果実



「これ、安田さんに貰ったやつですけど。
疲れてるときは、甘いものを摂った方がいいらしいですよ」


眼鏡の奥の瞳を揺らし、近藤はパソコンに向き直った。 


「……ありがと」


感情があまり表に出ないとされる麻紀だったが、今日ばかりはそういうわけにもいかなかった。


抑えつけていた感情が、小菅の彼女のように今にも噴き出しそうで、自分でも怖かった。