不機嫌な果実



デスクに戻った麻紀は、大きな溜め息を漏らした。 

「はぁ〜っ」


なんで、あたしがあいつらと食事しなきゃならないのよ?


冗談じゃない! 


お金貰ったって、行きたくなんかないわ。


「どうしたんですか?」


「えっ?」


「渡辺さんがイライラしてるなんて珍しいですね。何かあったんですか?」


「えっ、私が?……イライラしてるように見える?」


コクンと頷いた隣の席の近藤毅(こんどうたけし)は、机からチョコレートを取り出すと、麻紀の机にそっと置いた。