不機嫌な果実



「もちろん、本気です」


悪怯れた様子もない。


何か釈然としない麻紀だった。


「そんなに怖い顔しないで下さいよ!風呂場から運び出したのも僕なんですから少しは感謝して下さいね。
まぁ、他の奴等に渡辺さんの裸を見せるわけにはいきませんけどね」


思い出したかのように、小菅はくすっと笑った。


「でも、あんな場所で気を失うなんて想定外でしたからさすがの僕も焦りましたよ。
あっ、でも全部は見てませんよ!すぐにバスタオルで覆いましたからね」


自分の両胸に手を合わせ、ブラジャーのようにやって見せた。


「やだ、ごめんなさい。恥ずかしい……。本当に迷惑をかけたわ」


消え入りそうな声を上げた麻紀を小菅は軽く笑い飛ばした。


「あははは。気にしないで下さい!酔っ払った子や寝ている子を襲うなんて悪趣味、僕にはありませんから。お互いの合意があってから、というのが信条ですからね」


「ご、合意って……」


たちまち麻紀の頬がほんのりと紅く染まった。