不機嫌な果実



ポツリと呟いた麻紀は、視線を窓の外に広がる庭園に移した。


朝陽を浴びて燦々と輝く緑がさらに色濃く眼前に広がっている。


青竹の隙間からはキラキラと光の洪水を放っている。


都会では感じられない自然の賜物だ。


ふと、麻紀の故郷を思い出した。


竹林が生い茂る実家の裏庭は、近所の子どもたちの格好の遊び場だった。


そこにはいつも愛犬のマリーがいた。