――ちゃぷん。 真夜中の露天風呂に足をそっと入れると、思いの外、水音が響き、麻紀は驚いて身を竦めた。 広い露天風呂に客は麻紀ただ一人だけだった。 先客がいないのは有り難かった。 人目を気にせず、のんびりと湯に浸かりたかったから。 でもそれ以上に、今は一人になりたかったから。 頭上には月が顔を覗かせている。 竹林に囲まれた露天風呂は外界から遮断されたような造りになっており、そうした他人の目を気にせず寛げた。 「はぁ。やっと落ち着いたわ」 身体をゆっくりと湯槽に沈め、ぽつりと呟いた。