「お孫さんはおいくつなんですか?」
「18だよ。今年の春から大学生になって一人暮らしを始めたのさ。田舎じゃ優秀な学校に通ってて、男の子なのに優しくてね。あたしら家族の自慢の孫だよ」
「そうですか。じゃ、お孫さんに会うの楽しみですね」
「あぁ。母親はよく来てるようだけど、あたしはなかなかお呼びがかからなくてね。
でも、裕太が……あっ、孫がね、こんなばあさんの誕生日を覚えててくれて、あたし嬉しくて。こうやって来ちゃったのよ」
「優しいお孫さんですね。きっとおばあちゃんのことが大好きなんですよ!」
二人の会話を聞きながら、賑やかな雑踏を抜けていく小菅の心に温かいものが宿っていた。
都会じゃ、他人のことなんてお構い無しの人間が大多数なのに。
困ってる人を放っておけないお人好しの渡辺と、孫を想い、田舎から出てきたおばあさんに新鮮なものを感じた。


