この駅は、新幹線ホームと在来線ホームがある巨大ターミナルだ。
改札口といっても六つもあるから待ち合わせなどする場合は、念入りに確認しておかないとあとで大変な目に遭う。
かくいう小菅も、学生時代、合コンで痛い目に遭っていた。
小菅に渡辺、そしておばあちゃんという奇妙な取り合わせで目的地へと向かう。
「それ、持ちますよ」
「え、いいわよ」
「いいから貸してください。女性に重たいものを持たせるなんて、男の恥ですから」
彼女の手から無理やり引き離した唐草模様の風呂敷と紙袋。
孫のためにと、大量に買い込んだと見られる土産物。
こんな重たいもの、わざわざ田舎から持ってこなくたって、今は宅急便だってあるし、金を出せばなんでも買えるのに。
口に出しそうになりながら、渡辺たちの会話を耳にしていた。


