不機嫌な果実



着替えもそこそこに、ベッドに傾れ込んだ相澤と麻紀。


普段は爽やかな相澤が、ベッドで垣間見せる「男」を感じさせる態度に、麻紀は付き合い当初から惹かれていた。 


相澤がネクタイを緩め、シャツのボタンを外した瞬間から、麻紀の気持ちにスイッチが入る。


それはつまり、このあとの甘い行為を予想させるからだ。


シャツを脱いだ相澤は、割れた腹筋が示すように鍛えられた身体で麻紀を優しく包み込む。


そこから相澤は「男」に変身する。


自分だけが知っている相澤の一面にある種、独占めいたものを感じていた。


それは、麻紀にとって不思議な感覚だった。