すると今まで一言も喋ろうとしなかった衛兵の一人が重い口を開いた。


「フェイン。こいつらの言っている事は本当だ。通してやれ」


そう言ってその衛兵の一人はフッと笑った。


フェインと呼ばれた衛兵はもう一人の衛兵に向き直った。


納得がいかないとばかりに。


「しかし隊長!こんな怪しい奴らを通すわけには……。近頃は“赤い月”も月に侵入しているという情報があちこちで出回っているんですよ?」