本当は私から見つめるだけじゃなくて見つめ返して欲しい。 下の名前で呼んで欲しい。 頬に触れて欲しい。 抱きしめて欲しい。 キスをして欲しい。 彼の何もかも、あたたかくやわらかなそのすべてが本当はたまらなく欲しい。 だから何よりも── そのための勇気が、欲しい。 今日もまた私の独占欲が胸をかきむしる。 せめて誰か、叶わぬ恋などないと、私に告げて下さい。