彼はどうしているだろうか。

 結局、あの頃のわたしはなにもいえず終い。

 けれど、だからこそ今でもこうして大切な想い出として残っているのかもしれない。

 今日はラムネを買って帰ろうか。

 夕涼みをしながらベランダで飲むのもいいかもしれない。

 今度の休みにはあの場所を訪れてみようか。

 過ぎ去った日々の名残を探しにいくのも、たまには悪くないかもしれない。