桜の花弁が校内へ知らぬ間に忍び込む頃を過ぎ── ひぐらしのコンサートが最終日を無事終えて── 金木犀に後ろ髪を引かれながら枯れ葉に頬をつつかれて── 純白の風が鮮やかさを取り戻してマフラーをクローゼットにしまい込む頃。 わたしの想いはもう鞄には入りきらなくなった。 そのときになってようやくわたしは気付く。