そこには変わらない先輩が少し嬉しそうな気恥ずかしそうな面持ちでいた。
髪型はあの頃よりも少し襟足が長くなっていて、肌も少し白くなっている。
だけど、“さく”と呼ぶ声も先輩の明るい雰囲気も変わらない。
わたしの大好きな先輩がわたしの目の前にいる。
だけどあの頃よりも優しくなった雰囲気で、きっと可奈さんと仲良くやってるんだなってわかった。
少し胸が痛んだけど先輩が幸せってことなんだろうなって思えたからそれはそれでよかったって思う。
先輩の幸せを喜ぶことができて心底ほっとしてる。
でも、そんなことよりも驚いたのが先輩の顔を見たときにハルの悲しそうな表情が頭を掠めたことだった。
どうしてハルを思い出したのか。
なぜハルが悲しそうな表情だったのか。
そんなことが気になる。
大好きな先輩と久しぶりに会えた喜びよりもハルの気がかりの方が大きいのにも自分で信じられない。