「これからどうするの?」


カフェを出てからどこへ向かうわけでもなく歩きながら奏さんそう訊かれた。


まだ先輩のとこに行くには時間がある。


だけどこのまま奏さんと歩くのも気まずい。


「あっ、快斗の家行くんだよね?」


「…まぁ、はい」


そんなこと訊かれてもこんなふうにしか答えられない。


だって、奏さんが先輩のことをどう思ってるのかいまいち分からない。


好きなのか、それともほんとに幼なじみと思っているのか。


奏さんの態度からじゃよく分からない。


そんな奏さんにどんな態度をとっていいのかも分からない。


「じゃ、近くまで一緒に行こう?快斗の家の近くに最近できた服のお店があるの。そこに行こうと思うから」


「じゃ、…そうしましょうか」


笑えているだろうか。


ひきつってないだろうか。


どうしてこう、嘘笑いが癖になったんだろう。