彼女は…、“カナ”。


“カナ”は“幼なじみ”。


だけど、それ以上の関係だと思ってしまうのは、ただの考えすぎなのだろうか。


ただの…、…思い過ごしであってほしい。


「…幼なじみですか」


先輩のいう“幼なじみ”が先輩にとってどれほど大切なんだろう。


「奏………………、アイツは親の親友の子どもだから、昔からの知り合いなんだ」


なんで、…なんで言い直すんですか?


「…先輩にとって、“カナ”さんはどんな人なんですか」


なんでこんなこと聞いたんだろう。


なんで自ら傷に油を注ぐようなことするんだろう。


やっぱり、気づいてるのかもしれない。


気づきたくないと思うから考えないようにしてるだけで、ほんとは気づいてるのかも。



「俺の…、俺を子ども扱いするやつだよ。年上だからっていつも…」


それは、偽り。


ほんとは、“大切な人”だって、言いたかったんでしょ?


わたしに、…遠慮してるだけ。