何度の行為を繰り返し、何度お互いの家を行き来したのかわからない。


これを密会というのか、それさえもわからない。


季節は巡る。


暖かな春が過ぎて、暑い夏が過ぎて、長袖をそろそろ着なきゃいけないくらいの涼しさを運んでくた秋に周りは色づいていた。


わたしたちの関係は変わらない。


ただ行為だけで繋がってる。


そして、彼女に出逢う。


美しく、可愛らしい、あの女(ヒト)に。


見る者全てを魅了する。


普段キレイだと思う茜でも、彼女の傍にいれば影を潜める。ただの引き立て役にしかならない。


茜がそんななのに、わたしなんて…月とすっぽんの差じゃんか。


引き立て役に回るどころか、何しに来たのか問われる始末になりそうだ。


そんな彼女に出逢う秋。


わたしはまだ知らない。


何も知らない。


ただこの関係を続けていきたいと必死でもがいていた。