※諸事情によりカナの字を変更しています。ご了承ください。
<side:奏萌(カナメ)>
さくらちゃんが優斗の部屋を出ていった日に一件のメールが入っていた。
社会人になってから極端に減ったアドレスの変更メールのせいか差出人の分からないアドレスに少し不信感を持ちながらそのメールを開いた。
さくらちゃんからのメール。
内容は思ってもみない内容で、他県にいるとのことだった。
優斗の部屋を出ていくのは知っていたが仕事はそのまま続けると言っていたためそのメールの内容がわからなかった。
しかも、最後の文にはメールのことは一切誰にも言わないでほしいと書かれていた。
つまり、快斗にも優斗にも秘密。
わたしだけの秘密を手にしてしまった。
でも、正直納得がいかなくて新たな携帯を手にしている時点で優斗との繋がりを切ろうとしているのは分かった。だけど、今の今までわたしにまで秘密にしていたこと、他県にいること、今何を考えているのか全くわからなくて、メールの途中に載せられていた新しい電話番号に電話をかけた。
ちょうど快斗は仕事で家を留守にしている昼の時間だった。
何度かのコール音が耳に聞こえた後、コール音の途切れる音とともにさくらちゃんの明るい声が聞こえてくる。
『奏さん?』
「さくらちゃん!?今どこにいるの!?」
さくらちゃんとはうってかわってわたしは携帯をひん握って携帯の向こうにいるさくらちゃんに向かって叫んだ。
そんなわたしの反応がよほど面白かったのか、
『やだ、奏さん。焦りすぎですよ~。心配しないでください。隣の県にいるの。住むとこは決まってるんだけど、まだ仕事が決まってなくて、仕事決まったらちゃんと改めて詳しい住所送ります』
そんな笑い声が携帯ごしに届いた。
「仕事って…続けるんじゃなかったの?」
『うん、ごめんなさい。ホントは辞めるって決めてたんだけど、あの場ではああ言わなきゃ収まらないと思って』
「これからどうするつもり?」
『優斗から完全に離れてみて、自分の気持ちを整理したいの。茜を好きな優斗に嫉妬しすぎてわたし今醜いから…。ちゃんと向き合えるようになったら会いに行く。それまでは奏さん以外の人とは連絡絶つつもりだから奏さんも絶対に秘密にしてくださいね?じゃなきゃ、奏さんとも連絡とれなくなっちゃう』
<side:奏萌(カナメ)>
さくらちゃんが優斗の部屋を出ていった日に一件のメールが入っていた。
社会人になってから極端に減ったアドレスの変更メールのせいか差出人の分からないアドレスに少し不信感を持ちながらそのメールを開いた。
さくらちゃんからのメール。
内容は思ってもみない内容で、他県にいるとのことだった。
優斗の部屋を出ていくのは知っていたが仕事はそのまま続けると言っていたためそのメールの内容がわからなかった。
しかも、最後の文にはメールのことは一切誰にも言わないでほしいと書かれていた。
つまり、快斗にも優斗にも秘密。
わたしだけの秘密を手にしてしまった。
でも、正直納得がいかなくて新たな携帯を手にしている時点で優斗との繋がりを切ろうとしているのは分かった。だけど、今の今までわたしにまで秘密にしていたこと、他県にいること、今何を考えているのか全くわからなくて、メールの途中に載せられていた新しい電話番号に電話をかけた。
ちょうど快斗は仕事で家を留守にしている昼の時間だった。
何度かのコール音が耳に聞こえた後、コール音の途切れる音とともにさくらちゃんの明るい声が聞こえてくる。
『奏さん?』
「さくらちゃん!?今どこにいるの!?」
さくらちゃんとはうってかわってわたしは携帯をひん握って携帯の向こうにいるさくらちゃんに向かって叫んだ。
そんなわたしの反応がよほど面白かったのか、
『やだ、奏さん。焦りすぎですよ~。心配しないでください。隣の県にいるの。住むとこは決まってるんだけど、まだ仕事が決まってなくて、仕事決まったらちゃんと改めて詳しい住所送ります』
そんな笑い声が携帯ごしに届いた。
「仕事って…続けるんじゃなかったの?」
『うん、ごめんなさい。ホントは辞めるって決めてたんだけど、あの場ではああ言わなきゃ収まらないと思って』
「これからどうするつもり?」
『優斗から完全に離れてみて、自分の気持ちを整理したいの。茜を好きな優斗に嫉妬しすぎてわたし今醜いから…。ちゃんと向き合えるようになったら会いに行く。それまでは奏さん以外の人とは連絡絶つつもりだから奏さんも絶対に秘密にしてくださいね?じゃなきゃ、奏さんとも連絡とれなくなっちゃう』