<side:茜>

さくらにハルとの関係が見つかるまではハルにわたしのことを見てほしい、そればかりだった。

だから、さくらにわたしたちの関係を見つかったとしてもわたしにとってはとんでもなく好都合なんかじゃないのって思ってた。

あの日、さくらに見つかって、その時初めてわたしにとって一番大事なものが分かった。

“友だち”

ハルとこれからどうなるかよりも、さくらともう友だちでいられないってことが一番こたえた。

さくらと今までみたいにバカ言って笑ってそんな関係でいたいってそれだけだった。

もうハルとはいられないし、優斗にも申し訳なかった。

だから今までのことを説明し別れてもらった。

このまま付き合っても好きになることはない、今まで本当にごめんなさいってことを付け加えた。

ひと悶着あったけど、自分のせいだし素直にすぐに別れられるなんて思ってはなかった。

本当に優斗には申し訳ない。

でも、やっぱりわたしにはさくらが一番の引っかかりでもう会うことも話すこともできないけど、さくらがもしハルとやり直したいって思ったとき、わたしが近くにいたら気になるし嫌な思いもすると思う。

だから、わたしは…

ずっと行ってみたかったイギリスに留学するね。

ごめんね、さくら。

わたしは親友の恋の邪魔しちゃった。

応援してあげられなかった。

今ならできるのに。

そんなことを思っても今更遅い。