「ハル…」
時たま漏れる吐息の合間に彼の名前を呼ぶ。
彼とは優斗と付き合う前から関係を続けている。
今もずっと。
終わらせるつもりなんてない。
もし終わるとしたら、きっと、彼が親友と付き合うとかわたしが捨てられるときだと思う。
優斗との付き合いは冷めてる。
だけど、優斗の優しさはすごく伝わる。わたしのこと好きって思ってくれてるのも知ってる。
それを知ってて利用してる。
好きだと喜ばせ、愛してると求めるフリをする。
優斗…優斗…
ごめんね。
やっぱりわたしはハルしかいらない。
だけどあなたとも別れられない。
ハルとの関係はバレたら終わりなの。
バレたら捨てられるの。
だから、守って。
わたしたちのことを包み隠して。
それができるのは優斗のそのハツラツとした優しさや無邪気さしかないの。
ハルとのことを守るためなら何だってするよ。
好きでもないけど好きって言うし、そのためなら抱かれたっていい。
秘密だって守る。絶対に言わない。親友にさえ言わない。
わたしの一番は友達じゃない。さくらじゃない。家族でもない。
ハルだよ。
この2重生活が始まって数ヵ月。
わたしの足は心はハルのもとへと向かってる。
そして悲しいことに今日はさくらとスポーツの授業があった。
その話をしなきゃいけない。
話を聞きながら嬉しそうな照れてるようなハルの顔を見れるのは嬉しいようで、実はすごくすごく絶望する。
ハルはわたしなんか見てない。
喋ったこともないさくらに夢中。
そんなことを間近で感じてしまうから。

