そんなわたしの様子がおかしかったのか、快斗先輩は鼻でフッと笑うと冷たいような、でも意地悪そうな顔を向けて愕然とするような言葉を言いのけた。


「身体だけならいつでも付き合ってあげるよ、サク」


言い終わると目の前のお酒をぐいっと飲み干した。


先輩の言葉が頭のなかをリフレインする。


快斗先輩がこんなこと言うなんて…


でも、バカはわたし。


断ればいいのに、冗談って流せばいいのに、聞こえなかった振りをすればいいのに。


バカはわたしだ。


なに素直にその言葉を受け入れたんだろ。


先輩と関われるなら、一緒にいられるなら…


なんだってできる!


それでも少しの不安からか、かすかに震える手を動かして先輩の服を摘まんでしまった。