「さくら今までどこにいたの?優斗には言えなくてもわたしには言えるでしょ?」
「…ハルのとこ」
「会いに行ったの?」
「ううん、偶然会ったの」
「泊まったの?」
「うん。ハルとけじめつけたから」
「けじめ?」
「うん。ハルと茜とあの時のこと話してたの。ちゃんと向き合ってた」
「そっか。でもなんで優斗に言わないの?」
「優斗に茜を思い出させたくなかったから。優斗は茜が好きだから。わたしの嫉妬からかな?支えてもらってきた分、言いにくい」
「そう。…いつ出ていくの?」
「ホントはすぐにでもって言いたいけど部屋が決まり次第」
「そんなに好きならどうして…」
「好きだからかな?好きだからどうしていいのかわからない」
もう奏さんは言葉を返してくることはなかった。
奏さんも気持ちを分かってくれるはず。
あんなに快斗先輩のことで苦しんだ人だもん、わたしの気持ちを詳しく言わなくても分かってくれると信じてる。