秘密のカンケイ


歩いている間に渇いてしまった涙が今にも零れそうになるほど目頭が熱くなって視界が滲んでくる。


近づいてくる足音に近づいてくるぼやけた姿、そして…


「さくら」

そう呼ばれることで今まで動かなかった足がゆっくりと動き始める。



積りにつもった違和感とか悲しさとか怒りとかすべてがごっちゃごちゃになって涙となって押し寄せてくる。

動きだした足は救いを求めるようにすがるように止まることはなくてその人に向って一直線に動いていく。


頭は優斗のことでいっぱいだったはずなのにこんなに苦しいのは初めてで懐かしい声を聞いたせいで彼との思い出が波のように押し寄せてきて、つらかったはずの思い出なんて出てこない。



ただ楽しくて、笑いあってそれだけ。

最近じゃ思いださなかった思いでたちがよみがえる。



憎んだのに、許せないのに、でも今はそんな感情なんてない。

憎んだはずだったのに憎み切れず。


こんなにも切ない。



「…ル、ハル!」

そう彼の胸に飛びこんだ。