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「ただいま」

静かな玄関にわたしの声だけが響く。


優斗はもう寝ちゃったかな?

ハルと別れてからどうしても真っ直ぐには家に帰れなくてマンション近くのコンビニで結構な時間雑誌を立ち読みしていた。


なんの雑誌を読んでたかなんてわからない。

どんな内容だったかも覚えていない。



気が付いたら深夜0時を過ぎていた。


明日は休み。

でもそれはわたしだけで優斗は仕事。


だから真っ暗になってる玄関も当然のことで、それを寂しいなんて思うなんて。



やっぱりちょっとは期待していた。

優斗がわたしを待って起きていることを。


でも明日仕事で5時起きの優斗にこんな時間まで起きておいてなんてことのほうが無理だ。

優斗は待っててくれてたのかもしれないけど、わたしがコンビニなんかに寄ったりしたから。


早く帰ってくれば良かったなんて呟きが小さく消えていった。


今無性に優斗に会いたくて、顔だけでも見ようと思って小さくノックをして優斗の部屋のドアを開けた。