「――――……はい」

ドアの向こうから眠そうな声が耳に届いた。


ハルの声を聞いただけで、会ってもないのに胸が跳びはねるようだった。



ガチャっという音とともに目の前のドアがわたしの方に迫ってきたから1歩後退して開いたドアの前に立った。



わたしを見て驚くハルの顔が思い浮かんでいた。

そして、ハルは驚いてた。わたしの想像以上に。


ハルは驚く以上に焦りと戸惑いを含んでいてどうしてそんな表情をするのか分からなかった。


だって驚いても喜んでくれると思ってたから。




でもそんなの簡単だった。

考えてみれば当然といえば当然のことで、今までそれを考えなかった自分もどうかと思う。


多分それはわたしが先輩1人だったからで、自分の経験をハルにも当てはめてたんだと思う。


だから、こんなにもこの現実に吐き気がする。



ハルに―――…絶望した。