たっくんには人を惹きつける何かがあった。


優しい、聞き上手、頭がいい、面白い、いい人。

どれも当てはまるけど、どれも違う気がする。


言葉に出来ない何か、

その何かにみんな惹かれて、男も女も関係なくみんなたっくんのことが好きだった。

そして勿論私も、そんなたっくんのことが好きだった。




誰からも愛されるたっくん。


でも、彼は時々、ほんとうにほんの一瞬だけど、

暗く光のない目をすることがあった。





たぶんそれに気づいたのは私だけ。





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