たっくんと出会ったのは、高校に入学してすぐのことだった。


背がひょろっと高くて、黒縁めがねをかけてて、穏やかな眼差しがとても印象的なその男の子は、私の隣の席だったから。


新しい環境に慣れず、まだざわざわとした空気が漂う教室の中で、たっくんの周りの空気だけがそこだけ異空間であるように、とても静かだった。



それは、彼がむやみに席を離れたり、周りに合わせた無駄に高いテンションで話さないから、というだけではなく、

たとえ目の前に包丁を突き出されても、

明日あなたは死にますと言われても、

決して揺れ動かない、そんな決意にも似たものを持っていたからだと思う。




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