月の雫 -君と歩む彼方への道-

「現に、魔道士になれば結婚だってできるんだから。

研修期間の間は、時間も限られているし、効率よく研修を進めるために戒められてるだけだ」


「……」


シルは疑わしそうにじろりとオレをにらむ。


――おい、信じてないな。



「それに、魔道よりも大事なものだって、人生にはあるよ」

「たとえば、何だ?」





「――愛、かな」





「カッコつけるな。似合わない」

「うるさいな」


オレは笑った。