H・O・L・D UP!


──なんなんだ、このガキは。──



あまりの緊張感の無さに、男は呆れるのを通り越して、段々、疑問を持ち始めていた。

まぁ、まさか、この若さで事件慣れしているとは、全く想像していなかったけど。



「真輝ちゃん、お待たせ〜」

そう言って、牧子がカウンターに戻って来た。

「ポテト、私のおごりでサービスしといたからね」

「うわぁい♪ だから牧子先輩、大好き♪」

真輝、カウンター越しなのに、そう言って大袈裟に牧子に抱きつく。