H・O・L・D UP!


「こっんのヤロー……人が半分しか食べてなかったアイスクリームまでぇ……」

「どうもスミマセン。こちらの注意力不足で……お怪我、ございませんでしたか?」


ツッカツッカと歩き始めた真輝を、後ろから抱き抱える様にして口を塞いでやりながら、昭、相手の人にそう声を掛ける。



「あっ、はい。いえ、私が急に飛び出したのがいけなかったのですから」


その男の人が答える様子を見て、昭と真輝、思わず首を傾げる。



「急いでるので、失礼」


そう言い終わるや否や、その人は駆けて行った。