「……なんて顔、してんだ……あんたらしく、ないな……」 「あ、“あんた”って言うなって」 真輝は半分涙声で言い返した。 「……真輝……実は、俺の娘も『まき』って名前だ……今度は、助けられて、よかった……」 そう言うと、中川さんは再び目を閉じた。 「中川さんっ?! 中川さん!!」 まだ辛うじて息はしているものの、その命が風前の灯である事は目に見えて分かった。 そこへようやく救急車が到着し、救急隊員がタンカで中川さんを運んで行った。