「中川さん、しっかりして」 真輝は段々、込み上げてくる涙を我慢しながら、弱々しく話し掛けた。 「……ったく……」 今まで何も話さなかった中川さんが、小声で言った。 「……俺も……焼きが回ったもんだ……」 「中川さん、無理してしゃべらないでっ」 真輝の言葉に、中川さんの閉じていた目が開いた。 そして。 真輝の顔を見ると、今まで見た事が無いとても柔らかい笑顔をした。