「馨ちゃんはほんとに馬鹿ね」
冷たく希美が、馨に言った。
「な…!かおる、ばかじゃない!」
希美の言葉に、馨は顔を真っ赤にして怒る。その様子をみて、希美は口を開いた。
「幸姫ちゃんだって、ばかじゃないのよ?」
言われて、さらに馨は顔を赤くする。
「こいつはばかだもん!」
そう言うと、馨はわっと泣きながら教室を走って出て行った。
「馨ちゃん!?」
希美が呼び止めるが、聞こえていないのか、馨はそのまま走り去って行った。はぁ、と希美がため息をつく。
「のぞみせんせ。ごめんなさい。ありがとう」
にこっとわらう幸姫に、希美は頭を撫でた。そして、面倒くさそうに教室を後にした。
幸姫は、じっと自分の書いた絵を見つめた。
わかってるもん。本当は、おねがいしてもかなわないって。
それでも、幸姫は、ほんの小さなかけらのような奇跡でも、すがりたかった。
信じたかったのだ。
お父さんに会いたい
おとうさんにあいたい
オトウサンニアイタイ……
冷たく希美が、馨に言った。
「な…!かおる、ばかじゃない!」
希美の言葉に、馨は顔を真っ赤にして怒る。その様子をみて、希美は口を開いた。
「幸姫ちゃんだって、ばかじゃないのよ?」
言われて、さらに馨は顔を赤くする。
「こいつはばかだもん!」
そう言うと、馨はわっと泣きながら教室を走って出て行った。
「馨ちゃん!?」
希美が呼び止めるが、聞こえていないのか、馨はそのまま走り去って行った。はぁ、と希美がため息をつく。
「のぞみせんせ。ごめんなさい。ありがとう」
にこっとわらう幸姫に、希美は頭を撫でた。そして、面倒くさそうに教室を後にした。
幸姫は、じっと自分の書いた絵を見つめた。
わかってるもん。本当は、おねがいしてもかなわないって。
それでも、幸姫は、ほんの小さなかけらのような奇跡でも、すがりたかった。
信じたかったのだ。
お父さんに会いたい
おとうさんにあいたい
オトウサンニアイタイ……


