流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜

「どうしたの?おなかいたいの?」

幸村の暗い顔を見て、幸姫はまたおろおろした。おなかを優しくさすりながら、心配そうな表情で幸村を見る。

「いや…」

深く、大きなため息を幸村がついた。幸姫が首を傾げながら、困惑した顔をしていると、リビングのドアががちゃりと開いた。

「ただいまー。あ、幸姫こっちにやっぱり帰ってきてた…ってどうしたの?2人とも」

大きな紙袋をいくつか持って帰ってきた玲子は、異様な雰囲気の2人を変な顔で見た。幸姫が今にも泣きそうな顔で幸村の腕から離れて玲子のところに駆け寄る。

「あのね、ゆきむら、げんきがないの」

玲子のズボンを引っ張る。玲子は眉を顰めて幸村の側にいき、額に手を当てる。

「熱はないみたいだけど…ゆっきー、どうしたの?しんどい?どこか辛い?」

聞くと、今度は幸村が泣きそうな顔で玲子の目を見つめて言う。

「幸姫には父親が他にいるのか!?ゆうきとは一体何者なのだ!?」

「は?」

幸村の言葉に、玲子はすっとんきょうな声を上げる。

「さっき、幸姫が言っておったのだ。ゆうきがお父さんだと。幸姫はそのゆうきとやらのことが好きだと」

目が点になっている玲子。幸姫は首を傾げる。特に何か変なことを言った覚えはない。

「あのね、おままごとで、ゆうきくんはいつもお父さんなの」

玲子に幸姫がそう言うと、玲子は腹を抱えて大笑いし始めた。

「れ…玲子?」

びっくりして幸村が玲子の方を見る。目が合った瞬間、さらに玲子は床に転げて笑った。そんな玲子の姿に、幸姫もびっくりして、幸村と顔を見合わせた。