流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜

マンションに帰り、ゆうきと早坂に別れを告げると、かばんの中から鍵を取り出し、急いで鍵を開けて家の中に入る。

「ただいまー!」

幸姫の声に、ゆうきと早坂は顔を見合わせた。玲子はまだ帰ってきていないはずの時間で、家には誰もいないはず。だが、明らかにさっきの幸姫の声の感じは、誰かに向けられていたように聞こえた。

「どういうことだ?」

首を傾げながら2人は家の中に入っていった。


幸姫は靴を脱ぎ捨てると、バタバタとリビングへと向かった。勢いよく扉を開けて中に入ると、幸村がじっとテレビを見つめている姿が目に入った。

「ゆきむら?」

幸姫の声に、幸村ははっと我にかえり、幸姫の側にいき抱きかかえて頭を撫でた。

「おかえり」

「へへ、ただいまー」

嬉しそうに笑うと、幸村も微笑んだ。

「ゆきむらはなにしてたの?」

聞くと、うむ、と幸姫を抱いたまま、テレビの前へと向かった。

「この、テレビというものはなかなか面白い。いろいろなものを映し出す」

そう言って、興味津々といった顔で、テレビを見つめた。

「テレビ、めずらしいの?」

「ああ、俺はこういったものを今までみたことがないからな」

「ふーん」

今までテレビを見たことがないとは、変わってるなー、と思いながらも、幸姫はそんな幸村の顔をぺちぺちと叩いた。

「ど、どうしたのだ?」

幸村がびっくりして聞いてみると、幸姫はにっこりと笑って言った。

「ゆきむら!あそぼ!」