流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜

「あ、もうこんな時期なんですね」

「えぇ。今年もまた、お願いしますね」

そう言うと、希美は幸姫にもプリントを差し出した。

「ほら、先生が今朝みんなにお話した、運動会のプリント。れいちゃんに渡しておいてね」

そう言ってプリントを渡すと、幸姫はうん、と頷いて、プリントを丁寧に折りたたみ、かばんの中に片付けた。

『せんせー、さよーならー』

2人は希美にそう言うと、仲良く手をつないで教室を出ていく。早坂も頭を下げて、2人の後について出ていった。


「今日もお母さんは遅いの?」

早坂に聞かれて、幸姫は首を傾けた。

「たぶん?」

いつもなら、玲子が帰ってくるのが夜中になるので、幸姫は早坂の家で夕飯を食べてから、玲子が帰ってくるまで家で一緒に遊ばせてもらっている。

しかし、今日はいつもと違い、幸村が家にいる。玲子がもしかしたら早く帰ってくるかも知れないし、なにより、幸姫は幸村と一緒に遊びたかった。

「じゃ、今日も一緒にご飯を食べようか。何がいい?」

聞かれて幸姫は少し悩んだ。

「…ゆうきくんのおとうさん。きょうはおうちでおるすばんするの」

「え?そうなのか?」

ゆうきが驚いた顔で聞いてくる。幸姫はうん、と頷いた。

「…青柳さん、今日は早いの?」

聞かれて少し考えた後、幸姫はたぶん、とだけ答えた。

「そうか。それじゃ何かあったら、いつでも言いにきてくれよ」

そう言って笑うと、幸姫はこくんと大きく頷いた。