流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜

「それじゃ、幸姫を送って、私は仕事に行ってくるね」

玄関で靴を履きながら玲子が言った。幸姫は靴を履き終えると、くるりと幸村の方を向いてにっこり笑って手をふった。

「いってきます」

「気をつけて。俺はこの家で、帰りを待っておればよいのだな」

「お願いね」

玲子と手をつないで、幸姫は家を出た。

「こうき!おはよう!」

玄関を出ると、元気よくゆうきが挨拶をしてきた。

「おはよう、ゆうきくん」

幸姫はにっこり笑って答えた。少しゆうきの顔が赤くなる。

「おはようございます、青柳さん」

「あ、おはようございます」

いつものように、幸姫の手を取り、ゆうきは歩き出す。幸姫もそれに続く。

「あの2人、ほんとに仲がいいですね」

早坂に言われて、玲子は頷いた。

「本当に。ゆうきくん、幸姫にとっても仲良くしてくれて。それに早坂さんにも時々お迎えお願いしちゃったりして、本当にいつもすみません」

深々と頭を下げる玲子に、早坂は少し照れながら首を振る。

「そんなことはないですよ。幸姫ちゃん。とってもいい子ですからね。ぼくもゆうきも、幸姫ちゃんのこと好きですから」

「おーい!いかねーの?」

エレベーターからひょこっと顔を出してゆうきと幸姫が2人を見ていた。慌てて2人ともエレベーターへと駆け込んだ。