「ゆき……」
ふと後ろで声がした。
幸村の震えた声。
自分が手を離してしまっていることに気付き、慌てて振り替える。
が。
「……ゆき、むら?」
見えていたはずの草原はなく、あったはずの穴がない。
「いや」
そんなはずない。
そんなはずない。
ここにくれば、いつだって幸村に会いに行ける。
そう思っていた。
「い、いた!幸姫!」
声がして、振り返るとそこには、髪も服も乱れきった玲子の姿があった。
「ごめんね、幸姫。ごめんね!無事でよかった」
そう言って、玲子はきつく、幸姫を抱き締めた。
「早く帰ろう。幸村も、幸姫のこと、待ってるよ」
玲子の言葉に、幸姫は頭をふるふるとふった。
「ゆきむら、いなくなっちゃった」
「え?」
幸姫の言葉に、玲子は首をかしげた。
「ゆきむら、いっしょ…いたの…でも……」
一緒にいた。
手を繋いで、一緒に、いた。
だけど。
一瞬。
ほんの一瞬、手を離して駆け出した。
ただ、それだけ。
それだけだったのに。
「ゆき…む……うっ…うわぁー!いやー!」
玲子の腕を振り払い、必死で茂みに開いているはずの穴を探した。
ふと後ろで声がした。
幸村の震えた声。
自分が手を離してしまっていることに気付き、慌てて振り替える。
が。
「……ゆき、むら?」
見えていたはずの草原はなく、あったはずの穴がない。
「いや」
そんなはずない。
そんなはずない。
ここにくれば、いつだって幸村に会いに行ける。
そう思っていた。
「い、いた!幸姫!」
声がして、振り返るとそこには、髪も服も乱れきった玲子の姿があった。
「ごめんね、幸姫。ごめんね!無事でよかった」
そう言って、玲子はきつく、幸姫を抱き締めた。
「早く帰ろう。幸村も、幸姫のこと、待ってるよ」
玲子の言葉に、幸姫は頭をふるふるとふった。
「ゆきむら、いなくなっちゃった」
「え?」
幸姫の言葉に、玲子は首をかしげた。
「ゆきむら、いっしょ…いたの…でも……」
一緒にいた。
手を繋いで、一緒に、いた。
だけど。
一瞬。
ほんの一瞬、手を離して駆け出した。
ただ、それだけ。
それだけだったのに。
「ゆき…む……うっ…うわぁー!いやー!」
玲子の腕を振り払い、必死で茂みに開いているはずの穴を探した。


