流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜

幸姫はテレビのリモコンを手に取り、電源をつけた。テレビがぱっと明るく光り、幸姫のお気に入りの時代劇が映った。

『曲者!?』

「どこだ!?」

テレビから音声が流れた瞬間、幸村がばっと身構えた。コップを落とした。幸い、下にあったカーペットがクッション代わりになり、割れはしなかったものの、お茶が真っ白なカーペットを茶色く染めていく。

「あぁ!こらぁ!」

幸姫が慌てて、テーブルの上に置いてあったティッシュでお茶を拭く。幸村は、幸姫の声ではっと我にかえると、慌てて謝った。

「す、すまぬ!」

おたおたこぼしたお茶も気になるが、少し分厚目の板っきるから音が聞こえて、小さな人間が動き回っているのも気になり、あたふたとしている幸村が、幸姫は妙におかしくて笑った。

「へんなのー!」

幸姫がなぜ笑っているのかわからず、幸村は首を傾げる。

と、テレビから、人の悲鳴と刀のぶつかり合う音がして、幸村はばっとテレビの方を見た。

が。

テレビの画面をペタペタと触りながら、ポロリとこぼした。

「まるで、玲子の言っていたてれびとかいうやつみたいだな」

その言葉に、幸姫は首を傾げた。

「それ、テレビだよ?それよりおじちゃん、れいちゃんのこと、知ってるの?」

幸姫に聞かれて、幸村はん?と聞き返す。

「れいちゃんとは、玲子という名なのか?」

幸村に聞かれて、幸姫は頷いた。

「れいちゃんはねー」

幸姫が言いかけたとき、玄関がガチャリとあいた音がした。幸姫はパァッと笑顔になった。

「ただいまぁー」

玄関からの声を聞き、幸姫は走って向かった。

「れいちゃん、おかえりなさい!」