流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜

「ここだよ!」

大きなマンションを幸姫は指差して言った。

「入り口あけるね!」

幸姫は幸村の腕からぴょんと降りると、マンションの入り口へと走っていった。
ボー然とマンションを見つめて立ち尽くしている幸村に、幸姫は、早く!と手招きをした。戸惑いながらも、幸村は幸姫の側に駆け寄った。

幸姫は肩からさげていた鞄から鍵を取り出すと、玄関ホールの扉の横にある鍵穴に差し込み、カチャッと回した。すると扉がウィンっと開いた。

「どうしたの?はやくはやく!」

目を丸くして立ち尽くす幸村の手を引っ張って、中に入る。エレベーターのボタンを押す。扉が開き、幸姫は乗り込んだ。背伸びをして開のボタンを押して、幸村が乗るのを待った。

「はやくはやく!」

言われて幸村は、ゆっくりとエレベーターに足を踏み入れた。片足をのせると、エレベーターが一瞬かくんと沈んだ。

「な、なんだ!?」

慌てて幸姫にしがみつく幸村に、幸姫は笑って、大丈夫と手を繋いだ。
扉がしまり、ガタンと揺れ、上の階へと2人を運ぶ。幸村は不安そうな表情で、幸姫の手をぎゅっとにぎっていた。

エレベーターが止まり、扉が開いた。幸姫は幸村の手をひいて、外にでる。はぁ、とため息をついて、幸村はほっと胸を撫で下ろす。

部屋の前につき、かちゃっと幸姫は鍵をあけ、ドアをあけた。

「どうぞ!」

幸姫に促されて中に入る幸村。周りをキョロキョロと見回しながら家の中に入った。