「どうしたの?どこかいたいの?」
心配そうに顔を見上げてくる幸姫に、幸村は大丈夫、と首をふった。が、辛そうな表情をした幸村に、幸姫はぎゅっと手を握りしめた。小さなその手の温もりに、幸村はふっと優しい表情になった。
「優しいのだな、コウキは」
幸村のその表情に、幸姫は安心したように笑った。
「いこう、おうちはこっちだよ!」
幸姫は幸村の手を引いて歩き出した。
幸姫と一緒に、家まで行く道すがら、不思議なものをたくさん見た。鉄の塊に人が乗って、すいすいと猛スピードでどこかへ消えていったり、チカチカと光を灯したり消したりしているものがあったり、犬になぜか服を着せて、抱きかかえて歩いている人がいたり。
玲子が教えてくれた世界に似ている。
ふと、幸村はそう思った。幸姫はニコニコと笑顔で歩いている。
「なぁ、コウキよ」
幸村に声をかけられて、幸姫は返事をする。
「なぁに?」
振り返って笑顔で答える幸姫に、どこか懐かしい感じがして、幸村は思わず幸姫を抱き上げた。
「家はどこだ?」
幸村に抱き上げられて、幸姫は少しあたふたする。
「も、もう少し」
周りを歩いている人たちが、2人を不思議そうな目で見る。幸姫は恥ずかしくなって、ぎゅっと幸村に抱きついた。
「どうしたのだ?」
幸村が聞くと、幸姫はふるふると首を横にふった。不思議そうな顔をしながら、幸村は、幸姫の案内で、抱っこをしたまま、家へと向かう。
お父さんにだっこされてるみたい。
ふわっと香る幸村の匂いが、幸姫にとってどこか懐かしい感じがした。心地のよい幸村の腕の中で、幸姫はふふっと笑った。
心配そうに顔を見上げてくる幸姫に、幸村は大丈夫、と首をふった。が、辛そうな表情をした幸村に、幸姫はぎゅっと手を握りしめた。小さなその手の温もりに、幸村はふっと優しい表情になった。
「優しいのだな、コウキは」
幸村のその表情に、幸姫は安心したように笑った。
「いこう、おうちはこっちだよ!」
幸姫は幸村の手を引いて歩き出した。
幸姫と一緒に、家まで行く道すがら、不思議なものをたくさん見た。鉄の塊に人が乗って、すいすいと猛スピードでどこかへ消えていったり、チカチカと光を灯したり消したりしているものがあったり、犬になぜか服を着せて、抱きかかえて歩いている人がいたり。
玲子が教えてくれた世界に似ている。
ふと、幸村はそう思った。幸姫はニコニコと笑顔で歩いている。
「なぁ、コウキよ」
幸村に声をかけられて、幸姫は返事をする。
「なぁに?」
振り返って笑顔で答える幸姫に、どこか懐かしい感じがして、幸村は思わず幸姫を抱き上げた。
「家はどこだ?」
幸村に抱き上げられて、幸姫は少しあたふたする。
「も、もう少し」
周りを歩いている人たちが、2人を不思議そうな目で見る。幸姫は恥ずかしくなって、ぎゅっと幸村に抱きついた。
「どうしたのだ?」
幸村が聞くと、幸姫はふるふると首を横にふった。不思議そうな顔をしながら、幸村は、幸姫の案内で、抱っこをしたまま、家へと向かう。
お父さんにだっこされてるみたい。
ふわっと香る幸村の匂いが、幸姫にとってどこか懐かしい感じがした。心地のよい幸村の腕の中で、幸姫はふふっと笑った。


