流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜

…なんなのだ!いったいここは!


見たことの無い建物に、冷たい印象を受ける地面。きれいな長方形に型どられた石を積み上げて出来た塀。今までまったく見たことの無いものたちが、目の前に広がっていた。

呆然と立ちすくむ幸村の手を、幸姫はそっと取ると、首をかしげながら引っ張った。

「どうしたの?いこう?」

幸姫の言葉に頷きつつも、戸惑いの隠せない幸村。よく考えてみれば、幸姫の着ている服装は、自分たちの時代のものとは違っていた。まるで、玲子が着ていた服のようだった。


遠い記憶がよみがえってくる。
自分を捨てて、元の世界へ玲子は戻ったのだ。

わかっている。どうしようもないことを。仕方が無いことだったのだと。

気づけば、幸村の目からは涙が一筋零れ落ちていた。