ジョーの腕の中で、驚いたように少女は顔を上げる。

迷った表情のフランシーヌは、あえぐようにかすれた声で言った。

「いっしょに、いたいよ…。最後の最後まで、いつか、死んで灰になるときまでずっと…。ずっと抱きしめていてほしい…」

「フランシーヌ…」

「でも、大丈夫。人間は、そんなにバカじゃない。きっと、全部ダメになっちゃうまえに気づくから…」

フランシーヌは、ジョーの胸にトンと手をついて体を離した。

ふわりと優しく微笑んで、少女は、ジョーの部屋を出ていった。