彼の左目は、時間を視る――。 どこから噂が漏れたのか、占い師になれとか、予言者になって一財産築こうとか、あざとい儲け話をもちかけてくるドクロの群が、さかんに札ビラをちらつかせてきて、さんざんな目にあった。 三年前、そんな環境に辟易していた頃、彼は、このスペース・コロニーの住人として選抜されたのだ。 それが、十四歳の時だった。