(そういえば・・・お母さん、おはぎ好きだったってキヨちゃん言ってたなあ)
幸子は甘いものはあまり好きではなかったが、
おはぎだけは好きで食べていたとキヨが話していたのをふと思い出した。
倫は和菓子屋に入り、おはぎを二つ買った。
図書館に行くのをやめて、幸子のお墓に行くことにした。
いつもキヨと一緒にお墓参りに行っていたが、
たまには1人で行ってみようとなんとなく思った。
商店街を引き返し、家の近くの墓地に向かった。
細い糸のような雨がはらはらと降る。
墓地には誰もいないように思えたが、幸子の墓に近づくとそこに一人の男性がしゃがんでいたのが見えた。
(・・・・誰だろ・・・)
大きな花束が横にして置かれている。
男性は立ち上がるとじっと墓石を見つめた。
薫の伯父の成明だった。
倫の足がとまる。動けなかった。
(なんで・・・ここに・・・)
ふ・・・と成明が倫の存在に気がつき、顔を向けた。
「君・・・」
倫は、ハッとして踵を返し、帰ろうとした。
幸子は甘いものはあまり好きではなかったが、
おはぎだけは好きで食べていたとキヨが話していたのをふと思い出した。
倫は和菓子屋に入り、おはぎを二つ買った。
図書館に行くのをやめて、幸子のお墓に行くことにした。
いつもキヨと一緒にお墓参りに行っていたが、
たまには1人で行ってみようとなんとなく思った。
商店街を引き返し、家の近くの墓地に向かった。
細い糸のような雨がはらはらと降る。
墓地には誰もいないように思えたが、幸子の墓に近づくとそこに一人の男性がしゃがんでいたのが見えた。
(・・・・誰だろ・・・)
大きな花束が横にして置かれている。
男性は立ち上がるとじっと墓石を見つめた。
薫の伯父の成明だった。
倫の足がとまる。動けなかった。
(なんで・・・ここに・・・)
ふ・・・と成明が倫の存在に気がつき、顔を向けた。
「君・・・」
倫は、ハッとして踵を返し、帰ろうとした。