ずっと言いたかった言葉。
何度も心の中で叫んだ言葉・・・。

「私も・・・」

涙で視界が歪む。

「あなたが好き・・・」

倫の腕を掴んでいる薫の腕が震える。

「あなたが好き・・・!」

薫が倫を引き寄せて力強くキスした。

それは息も止まるほどに深く激しかった。

まるで倫の全てを奪ってしまいたいという程に。

薫の冷たい唇は、倫の体温に触れて解けていくようだった。

雨の音と二人の吐息が響く。

二人は今までの距離を埋めるように、時間を忘れて唇を重ねた。