何とも色気のない声が、廊下をこだましていく。 おっ、おっ、お化け?? 恐怖に腰を抜かし、目の前の黒いものを観察した。 鞄。 普通の学生鞄。 まだ真新しくて、隅に小さく金色の刺繍がある。 何て書いてあるんだろう? 筆記体みたいで読めないや。 でも、こんなのを投げるなんて、一体どんなお化け? そぉ言えば…さっき一緒に声も聞こえたっけ? そろそろと這いつくばったまま、靴箱の影から様子を伺った。 ッ!? 『うわぁーー!!!』 *