『いただきまーす!』

威勢のいい声を上げるのは、もちろん北村さん。

俺が帰ってくるなり、半分ドアを開けてコチラを見てると思ったら、

突然『お腹すいた』だもんなぁ・・・

で、結局流されて、夕飯二人分用意する俺。

ソレもどうかとおもうけどなぁ・・・

『うわぁ~おいしい!』

どうしてこの人はこんな料理でもおいしそうに食べれるんだろう。

でも、こうやって自分の作った料理、こんなにおいしそうに食べてもらえるのはうれしいことだ。

『時島さんって、お料理上手ですね』

にっこりと俺に微笑むその顔は天使に見えた。

『あ・・ありがとうございます』

『それにしてもびっくりしました。まさか時島さんと同じ会社だったなんて・・・』

俺はその台詞にドキッとした。

『ソレは俺も同じですよ、まさか新しい上司が北村さんだったなんて』

っという台詞を吐いては見たが、

目の前の北村さんはおいしそうにおかずをつついていた。

俺、どこまでも決まらない男だな・・・。