「…にが、うゎだよ。」 「睨んでるように見えない。」 あたしは十字架を良壱に押し付ける。 「なんだよ。」 苛ついた声を出したのが聞こえたけれど、寝たフリをした。 「…那瑠。」 それは寝る前に聞いた最後の言葉。 「那瑠。」 良壱の声で目が覚めた。 あたしは時計を見る。 「飯。」 もう11時。 頭が痛い。 もう少し寝ていたい。 「食べない。」 肩が凝ったなぁと首を触ると、昨日外したネックレスがついていた。 「食べにいく。」 良壱はあたしの腕を引っ張った。 あ、今日は休日か。