「殴るの?」 あたしは笑顔で聞いた。 「女に手はあげない。」 昨日は病人だったのに。 それでも、人差し指を襟首から抜こうとしない。 「…だから、ダメなんだって。」 あたしは喉元から唸りを上げるような、低い挑発するような声をだした。 「あ゙?」 それに気づいた良壱は少し手に力を入れる。 「余計な正義感ふりかざしてると、潰される。」